【tdr1879】「Mr.インクレディブル」スーパーパワーは家族のイメージそのものだった

2004年に公開されたピクサー映画「Mr.インクレディブル」

作中で活躍するパー一家は皆異なるスーパーパワーを持っており、その力を駆使して悪役と戦うなどの活躍を見せています。

ただ不思議なのは、「なぜ、その力なのか」ということです。

父であるロバートは怪力、母であるヘレンは伸縮自在の力を持っていますが、その二人の子であるヴァイオレット、ダッシュ、ジャックは二人の力を全く引き継ぐことなく、異なる力を得ています。

何故、彼らは皆異なるスーパーパワーを持つ設定になったのでしょうか。

その答えは映画公開時のインタビューにて監督ブラッド・バードの口から語られていました。

「この一家のスーパー・パワーというのは“家族のそれぞれの役割や特性を反映させたもの”なんだ」

・・・一体どういうことか、以下、キャラクターごとに監督のコメントをまとめてみました。

ロバート(ボブ)/怪力・強靭
まず父親は力持ちでなくてはならない。だからメガ・パワーや強靱な肉体を持っている。

ヘレン/伸縮自在の体
母親というのは家族皆から引っ張りダコの存在。だから彼女のスーパーパワーは伸縮自在の体なんだ。

ヴァイオレット/透明人間・バリア
長女はお年頃のティーン・エイジャーだ。不安をいろいろ抱えている年齢で、隠れてしまいたい、消えてしまいたいという思いがスーパーパワーに結びついている。

ダッシュ/驚異的な俊足
長男は10歳でまさにエネルギーの塊。だからあの超高速の走りになっている。

ジャック/未知(瞬間移動、目からビーム、身体発火、身体金属化、空中浮遊、壁抜け、怒ると怪物化・・・など)
赤ん坊だけど彼は未知数なんだ。だから彼のスーパーパワーは“???”なんだ。

それぞれ、家族の役割の中で発揮している力そのものがスーパーパワーとして設定され、その力を組み合わせて協力し合う映画が完成したというわけです。

こうして見ると、どれも納得がいきますよね。

ジャックにいたっては“赤ちゃんなのに驚異の力がある”と思われがちですが、“赤ちゃんだから未知なんだ”と思えば納得です。

物語の構成上、都合よく割り振られた力かと思いきや、家族の役割から生まれた力だったスーパーパワー。

この設定を知った上で改めて作品を見ると、別の見方が出来るかもしれませんね。

関連記事

ページ上部へ戻る