【tdr1563】「トイ・ストーリー」制作初期、ウッディとバズは今とは全く別人だった!?

1995年に公開されたピクサーの代表作「トイ・ストーリー」

アンディのお気に入りのカウボーイ人形“ウッディ”と、自分を本物のスペースレンジャーと信じている“バズ”の二人組が活躍する玩具の物語・・・ですが、制作初期は全く違う設定で、その設定ゆえに「制作中止」を通知されたことがありました。

今とは別のトイ・ストーリー

実は制作初期の段階では、ピクサーが以前公開した短編作品「ティン・トイ」に登場した玩具のティミーと腹話術人形ダミーのコンビが冒険に出るという物語で、ウッディもバズも登場する予定はありませんでした。

ジェフリーの圧力

制作初期当時、ディズニー社にいたジェフリー・カッツェンバーグの言葉で主人公の一人がカウボーイ人形に変更され、数々の西部劇に出演していた黒人俳優ウッディ・ストロードにちなみ、「ウッディ」と名付けられました。

ピクサー側が最初に描いたウッディは“元気でひたむきで愛想がいい呑気な性格”でしたが、「もっと険を出せ!」と迫ったジェフリーの言葉に従い、数カ月かけてだんだん暗く、意地悪な、歪んだ性格になっていきました。

超意地悪なウッディ

“アンディのお気に入り”という、玩具としての地位を獲得していたウッディは他の玩具にとても意地悪で、嫌味なセリフや罵声を浴びせるようなキャラクターでした。

スリンキーに対しては「おいおい、バネつきソーセージ野郎。おまえの考えなんざ、誰も聞いちゃいねえよ。俺がいなきゃ、アンディはおまえなんかに目もくれないさ」といったセリフが用意されていたほど。

赤くて小さいバズ

現在は白を基調としたスーツを着ているバズですが、制作初期は真っ赤なスーツを着ており、サイズは約15㎝と現在の半分ほどの大きさでした。

しかも、自分がテレビの番組のキャラクターだということに気付いている設定だったのです。

バズ殺害計画!?

赤くて小さい新入りの玩具バズが現れ、アンディのお気に入りとしての立場が危うくなったウッディは、バズを亡きものにしようと画策。引き出しの中に閉じ込めたり、窓から放り投げたり、もはや悪役とばかりの行動をとります。

鋭くさせ過ぎた故の「ブラックフライデー」

長編アニメーションの経験が少ないチームはディズニー側の指示を受け入れ、内容を鋭くさせ、1993年11月19日にストーリーリールを披露しました。その結果、“鋭くなり過ぎて神経に触るような作品”となり、ディズニーから制作中止が通知されてしまったのです。

この日をピクサーでは“ブラックフライデー”と呼んでいます。

制作中止を免れるために・・・

ディズニーからの制作中止を受け、ジョン・ラセター監督とスタッフはすぐさまウッディの性格を変更し、物語を描き替えました。

その物語が今日の「トイ・ストーリー」となるわけです。

「子供向けすぎる」という理由から「鋭くさせろ」と指示し、結果制作中止になりかけたトイ・ストーリー。

超意地悪なウッディも小さくて自分が玩具だと理解しているバズも今となっては考えられませんが、これはこれで“アナザー”として見てみたい気も・・・しますね。

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