【tdr1992】ディズニー・ヴィランズには2タイプある?

ディズニー映画に登場する悪役「ディズニー・ヴィランズ」

物語を盛り上げたり、厚みを持たせたり、その役どころはかなり重要になってきますが、実はこのヴィランズには大きく分けて2つのタイプがあるそうです。

ディズニー・ヴィランズを分析し、2つのタイプにカテゴライズしたのは、映画やドラマを分析するYouTubeのチャンネル「ScreenPrism」

こちらのチャンネルにディズニー・ヴィランズを分析した動画があげられました。

『The Two Types of Disney Villains – YouTube』

この動画によると、ディズニー・ヴィランズには大きく分けて「追放者」と「強い暴君」に分類できるというのです。

追放者がヴィランズの映画

追放者がヴィランズに設定されている映画では、主人公が次第に責任感を抱いて成長していく展開が描かれています。

主人公は壮大な運命を背負っていたり、生まれが高貴であったり、責任ある「選ばれし者」という立場で設定されており、はじめはその立場を理解できていません。

そして、追放者のヴィランズは己の欲望・野心・虚栄心で社会から追放され、健全な社会とは全く別の場所に拠点を構えています。

「ライオン・キング」を例に挙げると・・・

主人公であるシンバは将来一国を率いる王となる運命にあり、責任ある立場にいるものの、物語序盤ではその責任を理解できていないどころか、運命から逃げ出しています。

一方、ヴィランズであるスカーは己の欲望や野心を叶えるべく、ライオンの敵であるハイエナと手を組みムファサを殺害。のちにプライドランドを支配する王として君臨しています。

物語の中でスカーは追放されてはいませんが、彼自身健全な社会に身を置いてはいませんし、幼少期に父が次期王である兄にばかり愛情を注いだことで、家族に対して疎外感を抱いていたことを考えると追放者のヴィランズに該当すると考えられます。

他にも「眠れる森の美女」や「塔の上のラプンツェル」では、社会から追放されたヴィランズが高貴な存在である主人公の邪魔をし、主人公は自身が何者なのか知らないまま成長したところから物語が始まっています。

強い暴君がヴィランズの映画

強い力を持つ暴君がヴィランズに設定されている映画では、主人公が暴君として君臨するヴィランズのコミュニティから追放された存在で、状況を変えるために立ち上がるヒーローとして描かれています。

暴君は自身の権力を振るい、邪悪で腐敗した世界の独裁者として君臨しています。

そんなヴィランズに立ち向かう主人公は独裁世界に反逆する物語中の唯一のヒーローであり、独裁世界から追放された人物でもあります。

この暴君がヴィランズの映画では、主人公は世界から追放された存在というところから物語が始まります。

「アラジン」を例に挙げると・・・

権力を手に入れたいジャファーは幾度となくアラジンを陥れています。また、ヒロインであるジャスミン王女は結婚したい相手を選べない支配下にあります。

こうした支配された世界を打開すべく、ヒーローとしてアラジンが立ち上がり、独裁者と化したジャダーを打ち破り、本来結婚が許されない間柄だったジャスミンとアラジンが結ばれるわけです。

追放者と暴君を兼ねるヴィランズ

ScreenPrismによれば、「リトル・マーメイド」のヴィランズであるアースラは、追放者と暴君を兼ねるヴィランだといいます。

それは彼女が、主人公アリエルのいる世界から追放された存在でありながら、アリエルを抑圧し、最終的には強い力を得る暴君であるからです。

また、アリエルの心中では人間に近づくのを反対する父のトリトンもヴィラン扱いです。

そのため、物語の序盤は本来のヴィランを見誤り、アースラにそそのかされてしまいます。

この構造により、アースラは追放者であり暴君でもある例外的なヴィランとして描かれることになりました。

以上のように、この動画ではヴィランズのタイプに応じて主人公がどう描かれるか、物語が何を主張しているか分けることが出来ると論じています。

こうした見方で改めて映画を見てみると、今までとは違う発見があるかも知れませんね。

関連記事

ページ上部へ戻る