【tdr0227】キャストは絶対に○○を言わない?
一般的にショッピングや食事で店に入る、あるいは誰か知り合いのお宅にあがる場合などで耳にする「いらっしゃいませ」。
日本人なら必ず耳にする言葉ですよね。
客人に対して使われる言葉ですが、その語源は「入る」の尊敬表現である「入らせらる(いらせらる)」でした。
この言葉に「入る」以外の「来る」「行く」「居る」という意味合いが加わり、その尊敬語となったのが「いらっしゃる」で、語尾を丁寧語の助動詞「ます」の命令形「ませ(まし)を付けて、「いらっしゃいませ」という言葉になったのです。
つまり、「いらっしゃいませ」とは歓迎を現す尊敬語でありつつも、命令表現なのですね。
さて、冒頭から少し堅苦しい言葉の話になりましたが、実は東京ディズニーリゾートでは「いらっしゃいませ」という言葉は使われておりません。言われてみれば・・・と感じる人もいるかと思いますが、その理由は何故だかご存知でしょうか?
ディズニーランドが日本に上陸した当初、日本語に訳されたマニュアルではゲストに対して「いらっしゃいませ」という挨拶をするように記されていました。
ですが、それに待ったをかけた社員がいたのです。
その理由は「親近感がわかない」というものでした。
「いらっしゃいませ」は一方通行の挨拶であり、必ずしも返事が必要な挨拶ではありません。親近感がわくにはお互いがコミュニケーションをとることができる「返事のある挨拶」である必要がありました。これにより、「いらっしゃいませ」は使用禁止となり、「こんにちは」を使うようになったのです。
確かに、「いらっしゃいませ」は一方的な挨拶であり、作業的な部分を感じますよね。しかも命令表現から出来た言葉ですから、親近感がわかないのも納得です。
もし、「いらっしゃいませ」の挨拶のままだったら・・・今とは違った距離感のあるテーマパークになっていたのかもしれませんね。