【tdr1589】ディズニーが“電力を無線で供給するシステム”を開発した!?

ディズニーのクリエイター「イマジニア」たちが集う研究部門「ディズニー・リサーチ」が電子機器に対して無線給電できるシステムを開発し、話題を集めています。

この無線給電技術をディズニー・リサーチでは「準静空洞共鳴方式(QSCR: quasistatic cavity resonance)」と呼んでおり、給電側のコイルに電流を流すことで室内などの空間に準静磁界を発生させ、その磁界の振動に受電側のコイルが共鳴することで電力を得る仕組みになっています。

オープンアクセスの科学誌「PLOS ONE」上で公開された研究論文によれば、部屋の大きさが電磁波の波長より小さくなることで室内空間全体がサブ波長の共振器として動作し、室内での磁界分布の均一性が高くなるのだそう。

これにより部屋の隅でも減衰せず、小型の受電コイルによる共振で十分な電力を得ることが出来、どこに置いても電子機器を使用することができる、というのです。

しかも、人体への影響が懸念される電界と無線給電に利用される磁界を分離することが出来、安全に電力を供給することが可能だといいます。

これが普及すれば配線なしの快適空間が完成!・・・と思いきや、この無線給電はシステム上“部屋全体を金属製の空洞”にしなければならず、一般家庭での実用化とまではいかなそうです。

天井、壁、床をすべてアルミシートなどで金属にするのは難しいですからね。

ただ、ディズニー・リサーチいわく、モジュラーパネルや導電性塗料を塗装することで、既存の建築物にも導入できるだろうと主張していますから近い将来、一般家庭の無線給電が当たり前になる、かもしれません。

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