【tdr0453】年中無休じゃなかった東京ディズニーランド
コンビニエンスストアや飲食店が年中無休24時間営業ではなかった1990年代。東京ディズニーランドもまた、現在のように年中無休ではありませんでした。
何故、年中無休でなかったのか。
その理由は1974年3月1日に施行された「大規模小売店舗法」にあります。
「大規模小売店舗法」(略称:大店法)とは、その名の通り、大規模小売店舗の商業活動の調整を行うシステムについて定めた法律で、「消費者の利益の保護に配慮しつつ、大規模小売店舗の事業活動を調整することにより、その周辺の中小小売業者の事業活動の機会を適正に保護し、小売業の正常な発展を図ることを目的」としています。
例えて簡単に説明すると「近くに百貨店、デパートができたから、商店街がガラガラになった」なんてことがないようにするための法律です。
これにより、店舗面積をはじめ、開店日、閉店時間、休業日の4項目を調整されました。
そして対象となる大型店は面積に応じて、「第一種大規模小売店(店舗面積3,000m2以上)と「第二種大規模小売店(店舗面積500m2以上)」の二つに分けられ、調整がそれぞれ課せられたのです。
さて、テーマパークである東京ディズニーランドが何故、この「大規模小売店舗法」に引っかかったのか・・・それは東京ディズニーランド内にあるワールドバザールが原因でした。
ワールドバザールはレストランとショップが集結しているテーマランドで、全ての店舗面積を合算したところ、「大規模小売店舗法」の「第一種大規模小売店」に該当してしまったのです。
このため、ワールドバザールは調整内容に応じた休業日を設けなければなりませんでした。ワールドバザールが休業しているのに、東京ディズニーランドを開園するわけにはいきませんよね。
つまり、東京ディズニーランドはワールドバザールに引っ張られる形で止む無く休園していたのです。
その後、この「大規模小売店舗法」は徐々に緩和、最終的に2000年6月1日をもって完全廃止となり、現在のように東京ディズニーランドが年中無休で開園できるようになりました。
今となっては当然の年中無休ですが、裏ではこんな経緯があったのですね。