【tdr1818】意外にもポエマー?ハリソン・ハイタワー三世が残した詩たち
傲慢で傍若無人な性格で、世界各地から文化的遺産を収集していた元ホテルハイタワーのオーナー、ハリソン・ハイタワー三世。
彼が建設したホテルハイタワーには、彼が集めた美術品・文化的遺産が並び、彼自身を賛美する沢山の絵画などが装飾されています。
そして、とにかく「自分大好き」な人物だったこともあり、ホテルのあちこちに彼が残したポエムを見ることが出来ます。
今回はその詩をいくつか紹介します。
ハイタワー三世の紋章
ホテル入口に掲げられた“貝の上に乗った地球に剣を突き刺したデザイン”の紋章には「MUNDUS MEA OSTREA EST」という一文があります。
これはラテン語で「この世はまるで私の牡蠣のようなもの」という意味。
つまり、貝のように世界をこじ開けて、その中にある宝を手に入れようとする野望に満ちた紋章になっているのです。
エントランスのステンドグラス
建物入口の、ハイタワー三世が描かれたステンドグラスには「The world is mine oyster which I with sword will open(世界は私の牡蠣、私の剣で開く)」という一文があります。
これはシェイクスピアの戯曲【ウィンザーの陽気な女房たち】第二幕第二場の台詞。
つまり、ハイタワー三世はシェイクスピアのセリフに感化され、そのセリフを自分の紋章そのものにしたようです。
ちなみに、英語の慣用句に「the world is one’s oyster(世界を意のままにする)というものがあります。
彼は自分の力で世界をどうにでもできると思っていたのかもしれません。
瞑想の庭園のスフィンクス像
瞑想の庭園にあるペルシアの翼の生えた女神像。この台座に打ちつけられたプレートには、ハイタワー三世の名と共に以下の文章が刻まれています。
「Come share this tranquil bower where i have oft unshouldered my great burden to pausein quiet reflection.」
(私が肩の荷を下ろし、思いに耽る為に何度も立ち止まったこの静かな木陰を共有しよう)
意外なことに、この瞑想の庭園はハイタワー三世が物思いにふけるための場所で、その大切な空間を利己主義な彼が「共有しよう」と言っているのです。
これまでのハイタワー三世の行動からは考えられない一面ですよね。
ホテル入口の柱
ホテル入口の柱の一番下にある茶色の礎石には「The taller we stand the nearer the stars. 1889 (高くなればなるほど星に近付ける 1889)」と刻まれています。
建設にあたって、彼が示した強い野心なのでしょう。
ちなみに、この詩を読んだ記者マンフレッド・ストラングとツアー主催者のベアトリス・ローズ・エンディコットは、「高くなればなるほど星に近づける・・・神にでもなるつもりだったんでしょうか」
「違うと思いますわ。より高いところから広く世の中を見たい。そう思ったのよ」という会話をしています。
どちらの解釈もハイタワー三世にはピッタリ・・・かもしれません。
いかがでしたでしょうか。何気ない一文でも、ハイタワー三世の人物像が覗えますよね。
この他にも、ホテルには彼が残した彼らしいアイテムや文章が沢山あります。
是非、隅々まで注目してみてくださいね。