【tdr0674】ピクサーが叶えた少女の最期の願い
2009年6月、10歳の少女が息を引き取りました。
その少女の名前はコルビー・カーティン。
アメリカに住む、歌とダンスが大好きな少女でした。
2005年12月、血管のがんと診断されて以降、笑顔を絶やすことなく闘病生活を続けていたコルビーちゃん。ただ、現実は残酷で病状は次第に悪化し、2009年5月時点で余命間もない状態に。
そんな中、コルビーちゃんは衰弱しつつも「ある願い」をしきりに口にしていたそうです。
その願いというのが「カールじいさんの空飛ぶ家が見たい」というもの。
2009年4月の下旬、ドリームワークスのアニメ「モンスターVSエイリアン」を劇場で鑑賞した際に「カールじいさんの空飛ぶ家」の予告が放映され、コルビーちゃんはすっかり魅了されたのでした。
以来、「死ぬ前にどうしても見たい」と口にしていたのですが、「カールじいさんの空飛ぶ家」が公開されたのは5月29日・・・このころには外出が難しくなるほどに病状は悪化していました。
コルビーちゃんの両親は何としても娘の願いを叶えてあげたいと考え、つてもないままにディズニー・スタジオやピクサーに電話をかけました。
そして、一人のピクサースタッフと繋がり、その場で「DVDを持参し、コルビーちゃんの家で上映会を行う」ことが決まったのでした。
そして電話の翌日である6月10日、「カールじいさんの空飛ぶ家」のDVDと、ピクサー・キャラクターのぬいぐるみを沢山抱えたピクサースタッフがコルビーちゃんの家を訪れました。
このときのコルビーちゃんは既に目を長く開けられないほどに衰弱していましたが、母親の説明を聞きながらも一生懸命に鑑賞したそうです。
鑑賞後、「面白かった?」と母親に聞かれると「うん」と頷いたコルビーちゃん。それから7時間後、コルビーちゃんは両親に見守られながら静かに息を引き取りました。
もし、両親の電話がピクサースタッフまで繋がらなかったら・・・
もし、ピクサースタッフが上映会を快諾しなかったら・・・
もし、電話から数日後に上映会を行うことにしていたら・・・
コルビーちゃんの願いは叶わなかったことでしょう。
コルビーちゃんの母親は後に「おかげで娘は『UP(カールじいさんの空飛ぶ家:原題)』を見るという夢を叶えることが出来ました」と、ピクサーに対して感謝の意を表しました。
子供たちに夢と希望を与える作品を作るピクサーだからこそ、少女の願いを受け止め、叶えたのでしょうね。