【tdr0145】2~3か月かかった「Mr.インクレディブル」のとあるワンシーン

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2004年11月5日(日本では2004年12月4日)に公開された長編フルCGアニメーション映画「Mr.インクレディブル」ピクサーの長編アニメーション作品としては第6作目となり、初めて「人間社会」が舞台となり、「人間」が主役となった作品です。

これまで、おもちゃや虫、魚などをテーマにしてきたピクサー。そのフルCG技術は群を抜いており、本作においても見事なアニメーションを披露しています。ですが、今までと違い「人間」が主体となった物語のため、製作過程が異なり、苦労も多かったそうです。

「ただテーマが違うだけで製作手法は変わらないはずなのに、何をそんなに苦労することがあるのか?」・・・と思う人もいるかもしれませんが、人間には人間なりの仕草や微妙な動き、質感がありますよね。それを表現するのは、おもちゃや虫、魚などとは別の技術が必要というわけです。

「Mr.インクレディブル」のあるシーンでは、たった数秒を描くのに2~3か月もかかったと言われています。

それは、「Mr.インクレディブル:ボブ・パー」がヒーロー時代だったころに使用していたヒーロースーツを手に取り、昔を懐かしむ場面でのこと・・・。手に取ったスーツに穴が開いており、左手が穴から突き出てしまうといった悲しいワンシーンがあるのですが、ここに2~3か月の手間が注ぎ込まれているのです。

一見するとなんてことのないワンシーンなのですが、ブラッド・バード監督いわく、このシーンがCGの作り手にとっては表現が難しいというのです。

その難しさゆえに、「そのシーンを表情(顔)に置き換える」、「穴があいている状況を口頭で説明、解るようなセリフにする」といった代替案が上がりましたが、ブラッド・バード監督は、それらを却下し、きちんと表現することに拘りました。

「過去の栄光のなれの果て」を見て、「また昔のように活躍したい」、「このスーツを直したい」という気持ちを表現するには代替案では表現しきれないため、妥協したくなかったのです。

小さいことを妥協しないで突き詰める、それを繰り返し重ねていくことで名作が生まれるのですね。

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