【tdr0511】ミッキーの原点「オズワルド」の波乱万丈な運命
ディズニーを代表するキャラクター「ミッキーマウス」
生み出した創始者「ウォルト・ディズニー」にとって、ミッキーマウスは夢であり、希望であり、窮地を救ったスーパースターであり、なによりも特別な存在として、愛を注ぎました。
しかし、ウォルトが初めて生み出した人気キャラクターは「ミッキーマウス」ではありません。ミッキーマウスよりも先にこの世に排出し、一躍スーパースターになったキャラクターがいました。
その名は「オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット(しあわせウサギのオズワルド)」
ミッキーマウスの原点となったうさぎのキャラクターで、その容姿はオールドミッキーと酷似しています。
生み出されたのはミッキーマウスがスクリーンデビューする1年前の1927年。当時、ウォルトは映画プロデューサーであり、配給業者だったチャールズ・ミンツの下で実写とアニメを混ぜた「アリス・コメディ」シリーズの制作をしていました。
このとき、作中に登場する「ジュリアス・ザ・キャット」が漫画家のパット・サリバンが描く「フィリックス・ザ・キャット」の模倣だったことから、抗議を受け、シリーズの人気が陰り、すぐさま新しいアニメシリーズの企画するよう指示されました。
新しい企画を考えるにあたり、まずは新しいアニメキャラクターの制作が必要です。
このときウォルトらは、親しみのもてるウサギのキャラクターにしようと考え、オズワルドを生み出しました。
そしてオズワルドが活躍するフルアニメーションの「トロリー・トラブルズ」を制作、大ヒットを収めました。
その後もオズワルドは活躍し、全26作品が制作されて大人気キャラクターに成長したのですが・・・1928年2月、配給先であるユニバーサル・ピクチャーズと契約料に関する取引の際、「オズワルドの所有権がユニバーサル社側にある」ことを盾に、ウォルトに対して法外な配給手数料を要求、更には従業員引き抜き工作を受け、有能なアニメーターが次々に引き抜かれてしまったのです。
これにより、ウォルトは作品とオズワルドとアニメーターを一気に失ってしまいました。
それでも何とかスタジオを守ったウォルトは、救世主となるミッキーマウスを制作。ウォルトから離れたオズワルドの人気が低迷していたこともあって、あっという間にミッキーマウスが子供たちのスターとなりました。
さて、波乱万丈な運命を送ったオズワルドでしたが、2006年2月、ウォルト・ディズニー・カンパニーとNBCユニバーサル社との取引が成功したことを受けて、ウォルトが手がけた全26作品と共に無事返還されました。
因みに、2010年には東京ディズニーランドで開催された「ディズニー・イースターワンダーランド」でオズワルドがフロートになって登場しています。
誕生から約80年、ようやくディズニーキャラクターに加えられたオズワルド。
正式なディズニーキャラクターとして、これからも活躍していってほしいですね。