【tdr1292】ディズニーランドの風刺版!?「ディズマランド」とは一体・・・
夢の国として知られるディズニーランド。
その世界観はメルヘンかつファンタジックで、明るく彩られていますが、その全てを皮肉ったかのようなテーマパークが5週間という期間限定でイギリスにオープンしていたことがありました。
その名も「ディズマランド(Dismaland)」
Dismal(陰気な・憂鬱な)+Land(国)、とあたかも夢の国にあてつけたような名前のテーマパークです。
2015年8月22日から9月27日までの期間限定でイギリスのサマセット州ウェストン=スーパー=メアにオープンしていました。
作り上げたのは世界各地でゲリラ的なアート活動を展開している覆面アーティスト「バンクシー(Banksy)」と、イギリスのダミアン・ハーストなど著名な現代アーティストを含む計58人。
開催したバンクシーいわく、ディズマランドは「子供にはふさわしくない家族向けのテーマパーク。芸術、娯楽、そして初歩レベルのアナキズム(無政府主義)の祭典である」とのことで、テーマパークの中に商業主義を皮肉るアート作品やインスタレーションを多数展示。
それらが退廃的な空間を生み出しているほか、運営スタッフは無愛想で座っている者ばかりと、まさに陰鬱な国となっています。
展示されている作品の中には、パパラッチに追われて事故を起こしたカボチャの馬車とそれに乗って亡くなったシンデレラや、朽ち果てたおとぎの城、アリエルと思わしき歪んだ人魚など、ディズニー作品を連想させるアートもあり、注目を集めました。
普通に考えれば訴訟問題になるのではないか、と思われますが、バンクシー曰く「ディズニーを批判したものではないので、ミッキーマウスのイメージは使用していない」から問題ないとのこと。
しかし、ウォルト・ディズニー社の法定代理人の入場は規制するといった防衛策は採っていたようです。
ちなみに、このディズマランドの入場料は5歳未満は無料、それ以外は3ポンド(時価約580円)。
なんとも良心的な価格設定ということもあってか5週間で15万人以上が来場し、地元へ約2,000万ポンド(約36億6,000万円)もの経済効果をもたらしたそうです。
ディズニーに訴訟されそうなアートを作るとは普通なら考えられませんが、またこういう作品が作られる日がくる・・・かもしれませんね。