【tdr2042】実写版「ムーラン」は中国市場への熱烈なラブコール!?

新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、ウォルト・ディズニーは、製作費2億ドル(約212億円)の実写版「ムーラン」を、世界の大半の地域で自社の動画配信サービスを通じて公開することとなりました。

背景として、新型コロナウイルスの感染拡大よる世界中の映画館閉鎖の影響を受け、2020年3月に予定していた世界的な公開も中止となっています。

2020年に入ってから3度公開を延期し、最終的には米国など多くの市場で劇場公開を見送ると発表した。米国では2020年9月4日から「ディズニープラス」のみで視聴可能となりました。

最近のディズニー映画の傾向

・「モアナと伝説の海」や「リメンバー・ミー」と同じく、文化的正統派の作品作りを目指す
・1998年のアニメ版「ムーランにはエディー・マーフィーなど欧米のスターを声優に起用
・2020年の実写版「ムーラン」はキャスト全員が中国人で、ジェット・リー、ドニー・イェン、コン・リーといったスター俳優も出演
・中国当局の現地のアドバイザーにも助言を求め、中国の映画審査委員会から特定の王朝だけを描かないように指摘されたことも

というように、近年のディズニー映画は描かれる国の歴史的背景や事情を踏まえ、その国の雰囲気や文化に沿った映画を作成することに注力していることが伺えます。

実写版「ムーラン」の見どころ

・主演のリウ・イーフェイは数ヵ月に渡り過酷なトレーニングを実施
・アニメ版で印象的なムーランが雪崩を引き起こすシーンも実写化
・ムーランのいる帝国軍と北方からの軍隊がぶつかり合うバトルシーンは900人のエキストラが参加し、迫力満点
・20ヵ所におよぶ中国ロケで撮影された雄大な風景
・セットで再現された宮殿や豪華絢爛な玉座の間も実写映画ならではの醍醐味

上記のような、実写版ならではの迫力あるシーンが見どころとなっています。

主人公が発するメッセージの違い

・主人公を演じる中国出身の人気女優リウ・イーフェイを選出するにあたり、6大陸で1,000人以上をオーディションして決定
・年老いた父に代わって男装の兵士となり、戦場に出て行く主人公の役を演じる
・アニメ版の「ムーラン」は「性別に関係なく一個人のストーリー」を描いたのに対し、今回の実写版「ムーラン」は、家族や共同社会の価値を力説する作品であると同時に、性別に関する現代的な感覚も肯定

このように、アニメ版の「ムーラン」では主人公が女性であることを偶然に仲間が気付くというストーリーでしたが、実写版「ムーラン」では主人公が主体的に打ち明ける内容となっており、近年のジェンダーフリーの潮流に沿うような内容になっているところも注目です。

そんな数々の困難を乗り越えてようやく公開された実写版「ムーラン」、新型コロナウイルスの感染拡大が収束し、中国を始め世界中の映画館で上演される日が一日も早くやってくるといいですね。

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