【tdr1954】「モアナと伝説の海」2D映画のゴールデンコンビが3Dで描いた理由とは・・・
ディズニー最後の劇場版セルアニメーション作品の「リトル・マーメイド」に「アラジン」など、数々の2D名作映画を生み出した名コンビ、ジョン・マスカーとロン・クレメンツ。
仲良しコンビとしても知られるこの二人の2Dアニメーションにかける思いは強く、2003年にディズニーが3Dアニメーションを主体とする方針を発表した際は、二人揃って退社したほど。
そして2009年「プリンセスと魔法のキス」で復職。再びディズニーに2Dの名作映画を生み出しました。
2D映画に並々ならぬこだわりを見せていたジョン・マスカーとロン・クレメンツですが、2016年ついに「モアナと伝説の海」で3Dアニメーションデビューへ。
一体なぜ、「モアナと伝説の海」を3Dアニメーションにしたのでしょうか。
5年の制作期間をかけて描いた「2000年前の南太平洋」
5年という長い制作期間を設けて完成した「モアナと伝説の海」
その制作初期段階では手書きにするか、CGにするか、はたまたハイブリットにするか検討中でした。
CGで制作すると決めたのは、インスピレーションを得るための視察旅行先のこと。
サモアまで足を運んだ際に見た、島々や水平線などの情景が彫刻的に感じ、平面的な手書きよりもCGで表現することを選んだのです。
また、手書きでは表現できない、海などの表現の幅を広げるためにもCGが良いと判断されました。
手書きでも海を表現できますが、CGを使うことで光の反射、照明の当て方など、手書きではできない表現が可能になるほか、カメラの動かし方も調整出来、没入できる世界観を描くため、今まで手を付けてこなかった3Dアニメーションを制作することになったのです。
実は手書き部分もある・・・?
「モアナと伝説の海」は3Dアニメーションですが、マウイのタトゥーなどは手書きアニメーションが使われています。
この手書きアニメーションを担当したのは、映画「アラジン」を生み出した天才アニメーターのエリック・ゴールドバーグ。
CGで表現したいものはCGを、手書きで表現したいものは手書きを駆使する・・・
どちらもディズニーが長年積み重ねてきた技術です。
この技術を駆使して完成した本作は、ディズニーの集大成・・・とも言えますね。