【tdr0596】「チキン・リトル」はCGド素人集団が製作した?
「空が落ちてくる」と信じるヒヨコの物語「チキン・リトル」
イギリスの有名な童話なのですが、ディズニーではこの童話をもとに1943年と2005年にアニメーション作品を製作しました。
1943年版は戦時中「デマに流されないように」と製作され、キツネに騙されたヒヨコが鶏やアヒルを誘導し、みんなキツネに食べられてしまう一風変わったオチの短編作品です。
そして、2005年版ですが、こちらは原作とも1943年版とも違う物語を展開します。
「頑張ればいつかヒーローになれる」と信じている小さなニワトリの男の子「チキン・リトル」が「空の欠片が落ちてきた」ことを町の皆に訴え、嘘つき呼ばわりされるも、襲来したエイリアンから町の皆を救うために立ち上がる長編物語です。
さて、「空が落ちてくる」という部分以外は全く違う物語となった2005年版ですが、それ以外にも新しい試みが取り入れられています。
なんと、この作品、ピクサー抜きで製作された全編フルCGアニメーションなのです。
しかも一部で3D版が上映され、「ディズニーデジタル3-D」という専用眼鏡をかけて鑑賞する方式が初めて取り入れられた作品でもあります。
これも新しい時代のニーズに合わせた取り組みとも言えますが、驚かされるのが、この作品の製作スタッフが、実はCGに関して「ド素人」だったということです。
ピクサーはグラフィックに関してプロの集団ですが、ディズニーはセル画など、手書きのアニメーションで一時代を築き、のし上がってきました。
このためディズニーには優秀なアニメーターは多くいても、CGに関してノウハウを持っているアニメーターは皆無だったのです。
そんな素人集団が猛勉強し、作り上げた「チキン・リトル」
やはり、ピクサー作品と比べると劣る点はあるものの、「ド素人」だったなんて思わせない作品となりました。
「頑張ればいつかヒーローになれる」、その言葉を体現しているようですね。