【tdr0099】試行錯誤されたジミニー・クリケットの姿

1940年2月7日(日本では1952年5月17日)に公開されたウォルト・ディズニーの長編アニメーション映画「ピノキオ」。カルロ・コッローディ作の童話「ピノッキオの冒険」を原作とし、「白雪姫」に続き2作目となる本作は、なんと2年という構想歳月を経て完成しました。

そんな「ピノキオ」の作中で欠かせないのが、コオロギのキャラクター「ジミニー・クリケット」。「ピノキオ」を支え、彼の良心であり、ストーリーテラーという大きな役割を持つ、重要なキャラクターで、擬人化された見た目は小さく愛らしい姿をしています。

しかし、最初から「愛らしい姿」をしていたわけではありません。

初期のキャラクターデザインの時点では、愛らしさなどは微塵もなく、擬人化もされていないため、見た目そのものが「虫」という、ひどいものでした。特に手足に至っては虫そのものので、ギザギザとした表面に虫特有の節、と愛らしさではなく気持ち悪さを表現したようなキャラクターだったのです。

そのような気持ちの悪いキャラクターに重要な役割を任せたくはありませんし、ピノキオの良心と言われてもピンときません。当然、ウォルトはすぐさまこのデザインをボツにさせ、改良するよう指示しました。

次に出されたキャラクターデザインは幾分か擬人化され、表情を持つキャラクターとなりました。音を奏でるコオロギということからバイオリンを持たせ、タキシードを着させて、と初めに比べると愛嬌も出てきたのですが、虫特有のスタイリッシュさや、ふくらはぎのギザギザなどの「虫っぽさ」が残っていました。

ウォルトはこれを当然ボツに。スタイリッシュさや虫っぽさをなくすよう指示しました。

それから徐々に徐々に改良されていき、完成形の「ジミニー・クリケット」へ近づいていきました。それをウォルトは細かなところまでチェックし、妥協せず、次々と描き直させたのです。

そうこうしてようやく、我々の知る「ジミニー・クリケット」が誕生しました。もし、初期案の「虫そのもの」の姿だったら・・・「ジミニー・クリケット」は愛されないキャラクターになり、「ピノキオ」も駄作になっていたかもしれませんね。

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