【tdr0072】「リトル・マーメイド」に影響を及ぼした映画ってなに?
ディズニー最後の劇場版セルアニメーション「リトル・マーメイド」。アメリカでは1989年11月17日、日本では1991年7月20日に公開され、2008年には舞台化、ブロードウェイにてミュージカルが上演され、日本においては2013年から劇団四季により上演されるほどの名作です。
実はこの名作に影響を与えた映画がありました。
その映画とは1984年3月9日に公開された「スプラッシュ」という名のファンタジーラブストーリー。映画監督に「ダ・ヴィンチ・コード」などの作品を手掛けた「ロン・ハワード」、主演にはなんと「トム・ハンクス」、「ダリル・ハンナ」を迎えた作品でした。
ここまでならなんてことのない、ただの恋物語映画を連想するかもしれません。
しかし、そうではないのです。
というのも、この作品を制作したのは「ウォルト・ディズニー・カンパニー」の映画部門として設立された「タッチストーン・ピクチャーズ」。しかも、ストーリーが「現代のニューヨークを舞台にした青年と人魚の恋物語」ときたものですから、「リトル・マーメイド」とは少なからず共通点がある、というわけです。
さて、この作品の何が「リトル・マーメイド」に影響を与えることになったのか、というと、答えは人魚の髪色です。
アリエルは「赤毛」が特徴的な人魚ですが、「リトル・マーメイド」以前の人魚像というと「金髪」であることがポピュラーでした。影響を与えた映画である「スプラッシュ」においても人魚の髪色は「金髪」で、「リトル・マーメイド」を手掛けるスタッフの中にも「人魚は金髪」という意見が出るほど。
しかし、それでアリエルも「金髪」にしてしまったら、あまりに従来的で面白くないですし、何より「スプラッシュ」の人魚と外見が被ることになってしまいます。それを避けるためにも、アリエルは「赤毛」のデザインになったのです。
結果、赤毛は海の中で綺麗に映え、尾ビレの緑とマッチ。金髪では得られなかった、作画の美しさを得ることができました。もし、アリエルが金髪だったら・・・平凡なキャラクターになっていたのかもしれませんね。